「夫婦げんかの結末」のさらに続き

 

「何かが起きそうだ!」たまたま出会った奥さんの表情から、そんな雰囲気が感じられた。
 ついに、ある夜、派手な言い争いが始まり、それは階上の私の家にまで聞こえた。
 それからしばらくして、彼らの家にやたら客が出入りするようになる。
 入れ代わり立ち代わり、いろいろな人がやって来ては、彼ら夫婦と、あるいは夫婦別々に話し合っている様子だ。
 こうした仲間たちの忠告? が幸いしてか、間もなく夫婦の顔に、以前のような明るさが戻った。正直言って、私たちもホッとしたものだ。
 やがて女の子が生まれ、それから半年ほどして、彼らは名残惜しそうに私たちに別れを告げ、郊外の新しい家に移って行った。
 これが「夫婦げんかの結末」と言ったら、叱られる? でも、いい話だと思う・・・。