テレビ放送ストップ

 

 改めて、オ−ストラリア人の合理的な生活ぶりを紹介したい。
 1972年2月、メルボルンのあるウ゛ィクトリア州では、発電所の労働者がストライキに突入したため長期に渡って電力の使用制限が続いた。
 ウ゛ィクトリア州の電気局からは、「家庭内の照明は一部屋一灯に、またオフィスの明かりは三分の一に減らすように」という通達が各企業や家庭に出された。
 通達を受けた私の勤務先では、明かりが通常の三分の一になるよう、庶務の担当者と用務員さんの二人が、“きわめて事務的”に照明の数を数えながら、事務室や廊下の電気を消して歩いた。
 それどころか、“節電に協力”するため、事務部門のスタッフは、いつもより一時間も早く帰宅してしまうのだ。
「ここまで徹底して通達に従うのか?」。この現実に驚き、戸惑った・・・。