「テレビ放送ストップ」の続き

 

 現金を扱う銀行の窓口なども、明かりを三分の一に減らして薄暗くなってしまう。
 お金の勘定を間違えやしないか、同じ間違えるなら、高額の紙幣を余分にくれないものかと期待? するのだが、もちろんそんなことはない。
 いつもなら一晩中ショ−・ウインド−の明かりがこうこうと輝いて、夜遅くまでウインド−・ショッピングが楽しめる目抜き通りの商店街も、このときばかりは真っ暗になる。   ショ−・ウインド−に飾られた商品が、車のヘッド・ライトに照らされて闇の中に浮かぶ光景は、むしろ無気味だ。
 クリ−ニング店の経営者の場合は、きわめて深刻? いや悲惨だ。洗濯機などが使用禁止となるため、商売はあがったり。定刻よりも早く帰れる一部のサラリ−マンと違って、電力ストの影響をモロに受けてしまう。
 そんな日曜日の夜だった・・・。
 (注) 思い出したこと
 ストライキの間、クリ−ニング屋さんは、深夜の飲食店街で「空き瓶集め」などをして、お金を稼ぐという。