「テレビ放送ストップ」の続きの続き

 

 毎週楽しみにしている国営放送局の番組を見ようと、テレビのスイッチを入れた。
 この国には、「瞬間映像ナントカ式」などという“便利だが、電力をむだづかいする”テレビはない。画面が出るまで、ジ−ッと我慢して待たなければならないのだが、この夜は、なぜかいつまで経ってもスピ−カ−から聞こえてくるのは、ザ−ッという雑音だけ・・・。 やがて明るくなったテレビの画面には、映像ではなくチラチラ雨が降っている。
「故障かな?」と思い、三つある商業放送局にチャンネルを切り替えてみた。
 だが、どの放送局も、見えるのは「雨降り」、聞こえるのは「ザ−ッ」という雑音だけ。
 実は、すべてのテレビ局が、放送をやめていたのだ。
 電力の使用量を制限するには、生きて行く上でさしあたり必要のない「テレビによる消費分を減らせばいい」というわけだ。(実は、事前に「テレビ放送中断」の告知があったのだが、私は気づかなかった。まさか、そんなことが起こるとは、とても思えなかったから?)