「オ−ストラリア人気質の詳細」(11)
この掃除機はオランダのP社製だが、外国では、不要とも思えるほどモデル・チェンジを繰り返すことはないようだ。だから、古くなった製品の部品でも、簡単に入手できる。
私が持て余したのは、これも前任者から譲り受けた冷蔵庫だった。
実は、これには「自動霜取り装置」がついていない。だから、真夏など、週にニ回は“シモトリ合戦”をしなければならない。冷蔵庫の中身を全部引っぱり出して、製氷室にこびりついている“シモ(氷)”に向けて熱湯をかけるのだ。
これは、思ったほど楽な作業ではない。短時間に手際よくやらなければ、アイスクリ−ムが溶け出し、魚などが腐ってしまう。
何事にも理にかなったことの多いこの国で、“霜取り装置のついていない冷蔵庫”だけは、どうしても納得できない? 存在だった。