「死者と生者」の続き
私は、その後の情報を知ろうと、日本航空のメルボルン支店に行ったのだが、ここで、“意外な話”を聞かされた。
17人の犠牲者の遺族のうち、「遭難現場へ行きたい」と希望したのは、たった一家族だけ。それも、「遺体確認のために必要なら・・・」という“条件つき”だった。
ほかの16家族は、「現場に行く」とは言わなかったという。
私は、直ちに親友の弁護士の家に駆け込んだ。
日本人のDNAを受け継ぐ私からみれば、遺族たちの“冷たい”とも思える態度がどうしても理解できなかったからだ。
日本からは、「ほとんどの遺族が、とるべきものもとらずに現場に向かっている」というニュ−スを、NHKの海外放送は伝えていた・・・。