「死者と生者」の続きの続き
親友は、たったひと言答えた。
「こんなとき、私たちオ−ストラリア人は、ただ「バッド・ラック(運が悪かった?)」と言うだけなんだ・・・」。
人が死ぬと、その魂は肉体を離れて神のみもとに召されてしまう。
だから、魂が抜けてしまった遺体を、わざわざ探しに行くことはないというのだ。
親友のこの言葉を聞いて、かねてから抱いていた疑問が氷解? した。
一般に、日本人は、遺体を解剖されることをひどく嫌う。特に肉親の場合となると、その意識は強くなる。
ところが、西欧人は、「必要であれば、たとえ肉親の遺体であっても、解剖されることに何のためらいもみせずに同意する」と、聞いていたからだ。