牧場巡りツア−(1)

 

「オ−ストラリア語」と「男の服装」で一部紹介したが、改めて牧場巡りのツア−の思い出をつづってみたい。
 1971年の8月、私はウ゛ィクトリア州北東部にある牧場地帯への旅に出た。五日間のバス旅行だ。
「丸一日かけても、全体を見るのは不可能だ」と言われるほど広大な牧場を巡り歩くのだ。
 メルボルンの市街地を一歩出ると、見渡す限りの大平原が待ち受けていた。
 冬とは思えない青々とした小麦畑が見える。
 バスの窓に映るのどかな牧場の風景。羊の群れの中には、牧草を食べている生まれたばかりの小羊もいる。
 ブッシュと呼ばれるかん木帯。その先に果てしなく広がる、赤茶けた砂漠・・・。