牧場巡りツア−(4)

 

 実は、“ティ−”や昼食以外にも、訪れる牧場のさきざきで、ビ−ルやワイン、ウイスキ−、そして、おつまみなど“歓迎のごちそう”が待ち受けていた。
 私の胃袋は、そのつどほんのわずかしか受けつけなかったが、日本流に言えば、午前と午後に一度ずつ余分に食事を取り、その合間にもずっと飲み食いしていたことになる。
 だから、夕食は、どう詰め込もうとしても、のどを通らなかった。
 肉中心の料理にほんのちょっと“ハシ”をつけただけで、散歩がてら街に出てみることにした。
 さすがに、夜はまだ肌寒い。吐く息が白く見える。
 午後8時を少し過ぎたばかりだというのに、街はひっそりと静まり返っていた。
「夜鳴きそばが恋しいな」。ふと、そんな思いにとらわれた・・・。