牧場巡りツア−(18)

 

 対向車のヘッド・ライトが、真っ暗闇の中から、一条の光となって突進してくる。
 遠くの平面にキラキラ揺れて見えるのは、クリ−ク(小川)に何かの光が反射しているのだろう。
 トムは、私の隣で、静かに寝息を立てている。バスの中では、話すことが“大好きで得意な国民”たちの間で、にぎやかな「スピ−チ合戦?」が始まっていた。
 今度の旅の関係者に対して、かわるがわる感謝とお礼の言葉を話している。幼いころから鍛え抜かれているせいか、それぞれの“話のセンス”は抜群で、みごとなものだ。
 とても、太刀打ちできるものではない。ジョ−クが随所に飛び出し、そのたびに、車内のみんながドッと笑う。
 ついに? マイクが私のところへ回ってきた。私は、“ハラ”を決めた・・・。