牧場巡りツア−(21)

 

 中でも、トムから、私に『酒の飲み方を教えてやるように』と命令? されているケウ゛ィンは、彼にとっては「窮屈この上ない」席で、巨体を揺すって大笑いしている。
 そのケウ゛ィンにウインクをしながら、“ぐっすりオヤスミ中”のトムを飛ばして、隣の座にいる乗客に、なんとかマイクを渡そうと手を差し伸べる。
 その客がマイクを受け取ってくれた瞬間が、私の“限界”だった。
 崩れるように椅子に座り込み、直ちにトムの“夢の仲間入り”をする。
 お世話をしてくれたバスの運転手さんへのお礼の品に添える「ギフト・カ−ド」にサインしたのは、トムと私が最後だった。
 バスは、もうすぐメルボルンに到着する。時計を見ると、午前2時を過ぎていた・・・。
(トムさん、ご免なさい! いまさら遅いかもしれませんが・・・。 ’06年4月)。