白豪主義(2)

 

 改正された移民法によると、「(1)経済的能力があること(2)健康であること(3)オ−ストラリアに定着(定住)できることの三つの条件が満たされれば、いかなる人種でも、移民が認められる」という。これは、労働党政権が、人種差別解消に前向きな姿勢を示すものとして、高く評価された。
 この移民法改正の背景には、ヨーロッパからオ−ストラリアへの移住希望者が減少しているという現実もあるだろう。だが、いわゆる“白豪主義”(Regulated immigration=以前は、White  Australian  Policyという表現が使われていた)の解消は、労働党政権の外交政策を考慮すれば、どうしても取り組まなければならない“最重要課題”だった。
 なぜなら、労働党のウイットラム政権は、かねてから、南アフリカアパルトヘイトローデシアの人種差別政策を激しく非難してきたからだ。