アボリジニ−(1)
私が、オ−ストラリアの原住民であるアボリジニーを初めて見たのは、メルボルンに赴任してから一ヵ月後に催された市内挙げての“ムーンバ祭り”のパレードだった。
わずかばかりの民族衣装を身にまとい、体のあちこちに「粘度」で白い筋を付けていた。
このような“見せ物”のアボリジニーは、世界四大競馬の一つであるメルボルン・カップのパレードなどでも見られる。
しかし、こうした機会を除いては、メルボルンやシドニ−で彼らの姿を見ることは、ほとんどない。
西オ−ストラリア州のパ−スやクインズランド州のブリズベンなどでは、白人社会に入り込んでいるアボリジニーもいるが、みんなはだしのまま、ただぼんやりと街角に突っ立っている? ことが多かった。