彼らが働いている姿を見たのは、ブリズベン郊外のパイナップル工場だった。
機械で選別されたパイナップルが、次の工程である洗い場にベルト・コンベヤーで運ばれてくる。
だが、機械の調子が悪いのか、そこで流れが止まり、パイナップルが大量に詰まってしまうのだ。
この詰まったパイナップルを一つ一つ手で取りのけて、機械の不調分をカバーしているのが、アボリジニーの青年だった。
彼は、時折おびえたような目で遠くにいる私たち見学者を見るが、それ以外は黙々とパイナップルを取り除いていた。それは、ほかの労働者に比べると、あまりにも単調すぎる作業のように思えた。