対日本観(2)

 

 当然、アメリカ政府首脳は“激怒”する。
 これが「豪米冷戦」の発端となり、両国の関係は完全に冷え切ってしまった。
 一方、イギリスのEC加盟以来、オーストラリアは、かつての“母国”とも「縁遠い」状態になり、相互の「英連邦特恵」は廃止された。
 さらに、1974年4月、オーストラリア政府は、それまで事実上の国歌として使われていたイギリスの“ゴッド・セイブ・ザ・クィーン”の代わりに、
「今後は、オーストラリア民謡の“アドウ゛ァンス・オーストラリア・フェア”を国歌と見なす」と発表した。
 これは、母国と仰いだ「大英帝国」との決別を告げる“象徴的な出来事”の一つと見ていいだろう。