対日本観(11)

 

 例年だと30パーセント前後というから、いかに大量に買いあさったか、分かろうというものだ。
 だが、久しぶりに取り戻した牧羊業者の笑顔は、そう長くは続かなかった。
 一転して、下落へ・・・。
 言うまでもなく、“買いあさりの反動”だった。
 その後は、下落に次ぐ下落で、牧羊農家は、現在も“深刻な不況”にあえいでいる。
「信じられないほど買いあさるかと思えば、突然買うのをやめてしまう」日本商社の買い方に、この国の人々は、戸惑いどころか“不信感”さえ抱いている。
 買い手の出方次第で、好不況を左右されるこの国の羊毛業界・・・。