「オーストラリアを知らせる勝手連」(6)

 

 当時、私の口をついて出るのは、「狂気満ちるところ」という言葉だった。
 そんな私のことを、友人たちは「典型的なオーストラリアぼけ」と、冷たく突き放した。
 私は、この友人たちの言葉がどうしても納得できず、かたくなに、
「こんなおかしな国に、平気で住んでいられる人あなた方こそ、正常な神経の持ち主ではない」と、心の中で反発し続けた。
 今にして思えば、あまりにも激しい環境の変化に心身共に適応できず、ノイローゼ寸前にまで追い詰められていたようだ。
 大勢の人が列を乱して乗降口に殺到する満員電車には、「恐怖心」さえ覚えて、どうしても乗ることができなかった・・・。