「オーストラリアを知らせる勝手連」(9)
私は、すっかり疲れ切ってしまった。
当然、職場でもふさぎ込むことの方が多くなった。
そんな私を見て、半ば慰めるように、
「オーストラリアで出会った人々のことや実際に生活した貴重な体験を、文章にまとめてみたら」と、勧めてくださった方がいた。
それからの私は、原稿用紙とにらめっこする生活に突入し、「勤務時間外に、勤務先の部屋の片隅で原稿を書く」日々が続く・・・。
その原稿が500枚に達したころ、新しい職場への転勤が決まった。
東京を去る前、その人に原稿を託したのだが、あのときの原稿の重さは、今でも鮮明に記憶している・・・。