「オーストラリアを知らせる勝手連」(31)

 

「こんな場面を挿入したら、日豪親善に水を差すことにもなりかねない」と反対し、しばらくは「冷戦状態」が続いた。
 私が「斬首シーン」に強く反対するには、理由があった。 
 C・W・ニコル氏が、ある雑誌に書いた文章が、私の頭の中に強烈に残っていたからだ。
 その一部を引用すると、
終戦直後に、私はある雑誌で、1枚の写真を見た。それは、一人のハンサムな長身のオーストラリア人が目隠しをされ、後ろ手に縛られて、土の上にひざまずかされている写真であった。
 そのまわりを、日本の軍人がぐるりと取り巻き、オーストラリア人の左側には、一人の日本軍人が日本刀を高く振りかざして、若い捕虜の首を切り落とそうとしていた・・・。」