「オーストラリアを知らせる勝手連」(34)

 

 唯一の救いと言えば、この映画で主役を演じた中村敦夫氏が、「完成記念パーティー」の挨拶で、
「私は、この映画を反戦映画だと理解しています」と、力強く言われたことだ。
「コアラ・プレス」第7号で、長坂寿久氏が「南十字星」について、
「『君の手で、私を天国に送ってくれ』という論理には、オーストラリアに住んだ者として、どうしても違和感を感じる」と書いておられたが、実はこの部分に関しても、私は最後まで反対し続けていた。
 映画人というのは、とかく「見せ場」を作るためには、「論理?」を無視する傾向のある人種のようだ・・・。