「山本康久氏の証言」から(6)

 

 13日に呉に入港した後、艦長が水交社(1876年=明治9年=に海軍省の外郭団体として創設された日本海軍将校の親睦・研究団体。海軍士官向けの旅館や喫茶店なども経営していた。会員は、海軍士官や高等文官、士官候補生などの海軍関係者に限られていた。) で開かれた「重要会議」に出席する。
 呉港沖での「特殊訓練」が始まったのは、その翌日からだった。 
 この特殊訓練では、上甲板に誰も立ち入ることはできなかった。
 乗員たちは、「いったい何をしているのか」一切知らされず、まったくわからなかったという。
 いわゆる、「極秘訓練」だったのだ・・・。