「山本康久氏の証言」から(10)

 

 ところが、軍令部にとって、
「攻撃に参加する潜水艦を、5隻にするか4隻にするか」では、作戦上大きな違いが出てくる。
「伊24を攻撃に加えるように」という声が強かったのは、そのためである。
 結局、最後は艦長の所信(判断)に任せることになったのだが、わたしたちは、
「この千載一遇の好機を逃してはならない。ぜひ、攻撃に行かせてほしい」と、懇願した。
 その結果、不安を抱えながらも、伊24潜水艦の出撃は決定する。
 これが「重大な問題とされた」のは、2度の軍縮会議で、米・英・日の補助艦(艦艇保有量?)の比率が「5・5・3」に制限されて、日本が「非常に苦しい立場」に追い込まれていたからだ。