「山本康久氏の証言」から(16)

 

聯合艦隊」には、第一艦隊を初めとする多くの艦隊があり、その中の第六艦隊が、「潜水艦隊」だった 。
 その第六艦隊には数個の潜水戦隊があり、各潜水戦隊は、さらに数個の潜水隊から成り立っていた。
 ハワイに向かう特別攻撃隊は、第三潜水隊を主体に、特別編成されたものだった。
 司令は、佐々木半九大佐で、伊16・18・20・22.24潜水艦が、それぞれ特殊潜航艇を搭載していた。
 このほか、伊21という「飛行機を積んだ」潜水艦も編入され、司令は、この伊21に乗船していた。
 実は、わたしの艦に積まれた特潜には、酒巻少尉が乗っていた。
「捕虜第一号」となったあの酒巻君だ・・・。
(注:特殊潜航艇の艇長だった酒巻和男さん。 「真珠湾に向けて潜航し、米太平洋艦隊への攻撃に参加するはずだったが、方向を誤り、同乗者(死亡)とともに、オアフ島沖の砂浜付近で投げ出されてしまった」という記録がある)。