「山本康久氏の証言」から(50)


 そんなとき、「最も誇るアメリカの海軍より、日本海軍の方が上だ」というので、アメリカ中が大騒ぎになった。
 だが、それでも、アメリカ大統領は作戦部長の進言を聞き入れて、開戦を促す世論に応じることはなかった。
 そのおかげで、わたしたちは、昭和14年に、遠洋航海でハワイを訪れることができた。
 このとき、日系二世の皆さんは、われわれを大歓迎してくれた。
 彼らは、「これまで日本人は馬鹿にされていたが、これで(この遠洋航海?)、アメリカが最も誇りにしている海軍よりも、日本の方が強力だということが、アメリカ人に伝わった」と、喜んだ。
「二世として、こんなに嬉しいことはない」と、候補生のひとりひとりに車を一台ずつ提供し、父親が運転手役をし、後部座席にはかわいい娘を乗せて、一週間にわたり「歓迎」してくれた・・・。