「山本康久氏の証言」から(54)


独ソ戦」が起きたとき、日本にシベリアを侵攻されたら防ぎようがない。
 手のひらを返したように、松岡洋右を温かく迎えたのは、 それを恐れて、「日ソ不可侵条約」を締結したかったからだろう。
 この「日ソ不可侵条約」のため、日本は、シベリアに入らなかった。
 だから、あれほどドイツに攻め込まれても、ロシアは、モスコーを持ちこたえることができた。
 あのとき、日本がシベリアを攻撃していれば、兵を傷めることなく、楽々とシベリアを奪うことができただろう。
 同時に、ドイツも、モスコーを陥落させていたに違いない。
 日本は、「日ソ不可侵条約」を忠実に守った。
 だから、ソ連は「破られなかった」のだ・・・。