「山本康久氏の証言」から(60)


 三、英国の学生とビートルズと平価切り下げ

 イギリスは、小さな島国でありながら、ナポレオンにもヒットラーにも、本国を侵されることなく過ごしてきた。
 それどころか、19世紀ごろまでは、全世界を制する堅実な国民(国家?)だった。
 第1次世界大戦で西部戦線が危うくなったとき、ケンブリッジ・オックスフォード大学(注:これら2校はイギリスで最も伝統のある大学)の教授たちは、
「国滅びて、大学なし」と言って学校を閉鎖し、学生とともに戦績に参加した。
 そういう堅実な精神があったからこそ、長い間、英国は侵されなかったのだ。
 それが、現在では大きく変わってしまった。
 ビートルズなどが出現して、若者の間でもてはやされ、また、外貨を獲得したといって、彼らは
エリザベス女王から勲章を授けられている・・・。