「山本康久氏の証言」から(66)


「それができなければ、文句を言う資格はない」とも教えられた。
 海軍に入って10年も経っている下士官に対して文句を言うときには、何事にも、まず「手本」を示さなければらない。
 だから、われわれ潜水艦の将校には、「勉強しなければならない」ことがたくさんあった。
 以上、簡単な実例を挙げて、英国流とドイツ流の統率について申し上げた。
 この英国流とドイツ流は、一見、異なるように思えるが、実際には「一致する」ものであり、共に「必要で、大切なもの」だと考える。
 この英国流とドイツ流を身に着けるところまで行かないと、
「本当の統率」にはなら(れ)ないと思うのだが・・・。