●「続・知らざる日豪関係」(7)

 日豪間の貿易は、羊毛から始まった。
 1879年、日本は、初めて、オーストラリアから羊毛を輸入する。
 その後、神戸の貿易商・兼松商店が、米と石炭(当時の日本の主な輸出品)をオーストラリアに輸出し、羊毛を輸入する「本格的な取り引き」を始めた。
 日本とオーストラリア間の貿易は急速に増大して、1931年には、日本が「オーストラリアの羊毛買い入れ国」の第2位となっている。
(ちなみに、同じ年のオーストラリアの総輸出高の11パーセントは、「日本向け」だった)。
 だが、オーストラリア国内で「イギリス製品を優先させる」という貿易政策が推進されるようになり、「日豪貿易」は、次第に衰退の道をたどり始める・・・。