●「続・知らざる日豪関係」(40)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「数日後、陸軍局戦史部のマクウィリアム大尉というオフィサーから、手紙が届いた。
 オーストラリア陸軍の紋章の入った便箋には、私の問い合わせに対する説明が、ぎっしりと箇条書きでタイプされ、思いのほかていねいなものだった。
 説明によると、登録番号の頭にあるアルファベットは、被収容者の類別を示すものである。
 たとえば南忠男の登録番号についている『PWJA』の場合は、日本人の戦争捕虜、つまり日本軍将兵の捕虜を示すものであり、そのほか『PWJM』は日本人の軍属、『WJ』は日本人民間人抑留者を意味している。
『J』はJAPANESE、『W』はWARの頭文字だろうが、それにPRISONERの『P』をつけるか否かで、軍関係者と民間人を分類していたようだ。」