●「続・知らざる日豪関係」(44)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「完全な番号順にファイルされていると思っていたのだが、そうではなく、全体がいくつかのグループに分類されていた。
 それぞれのグループの名簿を照らし合わせてみると、どうやらこれは捕虜が逮捕され登録された場所によって区別されているようだった。
 米、英、蘭、豪の各軍が、西太平洋のそれぞれの守備地域で捕えた捕虜を、オーストラリア本土へ全部まとめて送るため、いずれの軍によるものかをはっきりさせておく必要があったからだろう。
 朝の開館と同時に閲覧室に入ったのだが、カビの匂いに包まれてファイルをめくるうち、すでに夕方近くとなっていた。」