●「続・知らざる日豪関係」(56)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「南忠男の捕虜番号を調べるときに世話になった担当オフィサー、ビル・フォーガティー氏のところへ行くと、私はあらためて来室の理由と、調査全体の目的を説明した。
 フォーガティー氏は三十代後半の、やはり戦争を知らない世代の一人である。
 かれは私の話から南忠男という人物に、また日本人である南を日本人の私が調べていることに個人的な興味を感じたらしく、
『なるほど、あなたはその男がダーウィンの爆撃に関係していたかもしれないというんですね。
 充分考えられることですね。
 ダーウィン爆撃に関する資料は、かなり豊富にあるはずですが、あちこちに散らばっているんですよ。」