●「続・知らざる日豪関係」(60)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


ダーウィン爆撃に関する資料は、膨大な量である。
 もちろんすべて一九四二年当時そのままの資料で、フールスキャップサイズ(英国系の国で使われていた縦長の大型罫紙)のタイプ打ちのものから、名刺程度の大きさのメモ用紙に鉛筆で走り書きされたものまで、全部でダンボール箱四つ分もある。
 この中から南に関すると思われる資料をピックアップするのは、相当な作業だ。
 捕虜名簿のときのように番号をたよりに「特定の一枚」を捜し出すのではなく、「不特定多数」を選び出さなくてはならない。」