●「続・知らざる日豪関係」(66)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「また格納庫内の飛行機は、出動あるいは待避のチャンスさえ与えられなかったのか、機体はことごとく吹き飛ばされ、燃え尽きて、重い大キャストのエンジン部のみが転がっている無惨なものだった。
 オーストラリア人生来の楽天性に加え、慢性の人口不足、それに外敵からの侵略を経験したことがないために、戦況に対する楽観があったのだろう。
 防戦態勢はかなり手薄だったようだ。
 そして、真珠湾奇襲攻撃のときと同様、直前まで警報らしき警報もないまま、日本軍の空襲を受けてしまったらしい。」