●「続・知らざる日豪関係」(70)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「つまり、ベル中尉の報告の中に出てくる六人の日本人とは、私がメルボルン公文書保管室で調べた捕虜名簿の「PWJA 110、001 ミナミ タダオ」と、それに続く「PWJM」の110、002から110、006だったのではないだろうか。 
 フォーガティー氏の出してくれたダーウィン空襲関係のファイルの中には、もう二つ、非常に興味深いものがあった。
 一つは「INTELLIGENCE REPORT(情報部報告書)」の用紙に書かれたもので、相当に痛んだものである。
 いや痛んでいるというよりも、ところどころ白い修正液のようなもので抹消されていたり、タイプのインクが滲んでいたりして、判読が困難だ。」