●「続・知らざる日豪関係」(72)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「残念ながこの二つの報告書は、墜落機のパイロットに関してはまったく触れてはいないが、報告内容にある機体の状況からして、少なくともパイロットは焼死はしていないらしい。
 ここでもう一度前にもどって連邦政府諮問委員会のベル中尉報告の内容と、前述の二つの報告書を比べてみよう。
 ベル中尉報告から判断すると、一九四二年二月十九日のダーウィン空襲において撃墜された日本軍機は、二機あるいは三機は確実にあったようだ。
 まず一機は、ブッシュ地帯に垂直に激突したという、単発エンジンの急降下爆撃機である。
 これは機体が発見されているので間違いない。」