●「続・知らざる日豪関係」(91)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「ベル中尉の報告の中には、このメルヴィル島の零戦の部品を回収し、メルボルンへ提出しなくてはならない、とあった。
 メルボルンというのは、R・A・A・F、オーストラリア空軍部のことである。
『部品』というのは、一九四二年三月に回収された、エンジンと機体の一部のことだろう。
 空軍部にとっては、最初に手に入れた零戦だから、相当に綿密な調査をしていたに違いない。
 それに連邦政府諮問委員会で、委員がベル中尉に艦爆の墜落原因を質問していたように、この零戦に関しても墜落原因を調べていたはずだ。」