●「続・知らざる日豪関係」(105)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「しかしもし墜落当時を推測できる状態にあるならば、私はそれを見てみたい。
 機体の残骸が、南忠男について何か教えてくれるに違いない。
 そう思い、私はダーウィンへ行ってみることにした。
 シドニーから飛行機で、大陸東岸のブリスベンを経由して、ダーウィンまではまる半日。
 緯度にして十三度もの北上である。
 北半球の日本では『北上』というと『寒』のイメージがあるが、オーストラリアではその逆で、『暖』いや『熱』となる。」