●「続・知らざる日豪関係」(121)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「そしてダーウィンからこの二つの島までは、七、八〇キロも離れているのである。
 もし南機が高射砲にやられていたとするならば、当然それはダーウイン上空か、その付近でなければならない。
 エンジンを貫通され、推進力を失った飛行機が、どうやってこの距離を飛べるのか。
 どう考えても不可能なことである。
 やはりオーストラリア空軍のP40に、メルヴィル島付近でやられたとみるほうが自然ではないだろうか。
 私とハスレット氏は、これについてかなり長い間話し合った。
 が、とうとう結論は出ずじまいだった。」