●「続・知らざる日豪関係」(126)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「それに、かりにハスレット氏が主張するように、南機は高射砲弾により被弾したとして、果たして推進力を失った飛行機が、ダーウィンからメルヴィル島まで到達できるのか、ということも大きな疑問である。
 そしてもう一つ、メルヴィル島やバサースト島のミッションに住むティウィ族のアボリジニーたちに会い、あのダーウィン空襲の日の話などを聞きたかった。
 アボリジニーから、日本軍の戦闘機やそのパイロットに関して取材するというと、唐突だと思うかもしれないが、必ずしもそうではない。
 一見両者の間には何のつながりもなさそうに見えるが、案外かれらと日本人との接触は多いのである。」