●「続・知らざる日豪関係」(133)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「『ダーウィン空襲のあった当日、メルヴィル島のピカタラムーア(タカプリミル・クリーク付近の小さな地域)付近へ、日本兵がパラシュートで降下してきた。
 かれはそこでパラシュートを捨てると、ブッシュの中を北へ向って歩いて行った。
 そして島の北西部にあるスネイク・ベイに出たとき、そこでマティアスと出喰わした』
 このあとは前述のエピソード同様、マティアスにより沿岸警備隊の隊員に引き渡されたという。
 残念ながらこの話もまた聞きによるものだが、『目撃者』であるオールド・ジョニーというアボリジニーは、一九七六年に他界するまで、『自分はパラシュートで降りる日本兵を見た』、と言い張っていたそうである。」