●「続・知らざる日豪関係」(136)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「これはこの時期の大陸北西部特有の風で、潮が濁るために日本人潜水夫たちが採貝の休漁期に入るほど、期間の長い安定した風向きである。
 したがってパラシュートで脱出したパイロットがメルヴィル島に降下するためには、その脱出地点は島の南東でなければならない。
 また南機がどこで被弾し、どの方角から島に入ったかはわからないが、パラシュートで脱出すれば、メルヴィル島よりも西へ流されることはあっても、飛行機と同じ方向へ流されて、しかもピカタラムーアという機体発見地点から半径一〇キロと離れぬ地点に降下することなどあり得ない。」