●「続・知らざる日豪関係」(137)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「さらに増槽タンクは機体発見地点のタカプリミル・クリークから数百メートル(はっきりした数字は不明)のところで発見されているが、主を失った無人の飛行機が増槽タンクを切り離すことなど、できるはずがない。
 パラシュートの脱出には最低高度五〇〇メートルは必要であろうし、もし脱出していたとするならば、やはりそれは島の南東海上でなければならないことになる。
 そしてなによりの矛盾は、このエピソードからするとオールド・ジョニーはパラシュートが降下したときから、日本兵がスネイク・ベイで沿岸警備隊に引き渡されるまでの間、ずっと後をつけていたことになる。
 これは距離にして約六〇キロ、日数にすれば南逮捕までの五日間である。」