〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「オールド・ジョニーは、死ぬまで『自分は見た』といっていたというが、やはりどうも信憑性には欠けるようである。
ただこの二つのエピソードのいずれにも共通しているのは、沿岸警備隊員のもとへ日本兵を連れて行ったのは、マティアスという名のアボリジニーということだ。
少なくともこの部分だけは確かなようである。
老人たちの話が、おおよそ出尽したと思われるころ、同行のアボリジニー氏は、
『さあ、次へ行ってみましょう。まだあなたの喜びそうな話がありますよ』
と私をトラックの方へと促した。」