●「続・知らざる日豪関係」(140)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「『ここにブラザー・パイという神父さんがいるんですが、戦前からこのミッションにいて、もちろんあの空襲の日もここにいたんですよ。
 あのときはひどかったらしいですよ、ここの教会もやられたようですし』
 教会という言葉に、私はちょっと驚いて立ち止まった。
 日本軍は教会までも襲ったのだろうか。
『ええ本当ですよ。私の生まれる前のことですからもちろん人に聞いたんですが、日本軍はむこうから飛んできて、この向うにあった小型輸送機を爆破し、それからこの教会の屋根をマシンガンでバリバリとやってから、ダーウィンの方へ行ったんです』」