〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜
「『ここにブラザー・パイという神父さんがいるんですが、戦前からこのミッションにいて、もちろんあの空襲の日もここにいたんですよ。
あのときはひどかったらしいですよ、ここの教会もやられたようですし』
教会という言葉に、私はちょっと驚いて立ち止まった。
日本軍は教会までも襲ったのだろうか。
『ええ本当ですよ。私の生まれる前のことですからもちろん人に聞いたんですが、日本軍はむこうから飛んできて、この向うにあった小型輸送機を爆破し、それからこの教会の屋根をマシンガンでバリバリとやってから、ダーウィンの方へ行ったんです』」