●「続・知らざる日豪関係」(147)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「『かれの背中に、こういうふうに手をかけて私も送って行ったんですよ。
 かれは目隠しをされていましたから。
 ええ、オーバーオールの服を着ていたようです。
 礼儀正しい人でしたねえ』
 もしほかに、この二つの島に不時着した飛行機がないならば、このブラザー・パイが送って行った男が南である可能性は非常に強い。
 そしてこのあと男は軍関係者により、ダーウィンへ連れて行かれるのだが、そこではじめて捕虜名簿に記入され『捕虜番号 PWJA 110、001』が打たれたに違いない。」