●「続・知らざる日豪関係」(160)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「その南が、暴動で突撃ラッパを吹き鳴らして死んだ。
 先頭に立ってラッパを吹き鳴らすことは、いかにも捕虜第1号という目立った存在にふさわしいようでもあるが、その反面たかが扁桃腺炎で入院するようなかれが、『捕虜の汚名』をそそぐための自殺的な暴動の中心人物であったこととはつながらないようにも思う。
 それにメルヴィル島で命拾いしてから五日間、『自決』せずに捕虜となり、脱走まで試みたかれが、なんで急に死に急がなくてはならなかったのだろうか。
 いったい南忠男は、この暴動事件に、どのようにかかわっていたのだろう。」