●「続・知らざる日豪関係」(167)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「あるいは供述書を書いた吉田が隠しているのだろうか。
 そもそも供述書のような類いのものは、なんらかの圧力のもとで強要されて書くものだから、それは充分考えられる。
 それに金沢、吉田はもちろん日本語でこの供述書を書いているのだが、私が入手したこの供述書のコピーは、『TRANSLATION』と冒頭に書かれた英訳文である。
 もしかして現物を見れば何かわかるのではないかと思い、資料室で日本語の供述書の閲覧を頼んだのだが、これは受け入れられなかった。
 とまれ、一斉蜂起は午前二時、南忠男飛行兵曹のラッパを合図とする、と決定された。」