●「続・知らざる日豪関係」(170)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「捕虜たちはわずか数分で次々と脱柵し、ブロードウェイ内へ、あるいは収容所外辺へと脱出した。
 もちろん監視兵による銃撃は、すでにはじまっている。
 このとき収容所外辺に出た捕虜集団により、機関銃を握っていたオーストラリア兵が一人撲殺されている。
 そのためかどうか、この報告書を書いた人物はここまでの記述は冷静であったが、この辺からやや感情的な調子がみえる。
 それまですべて『JAPANESE』とタイプされているのが、急にJAP(ジャップ)に変ってしまっている。
 報告書の次の部分は非常に興味深い。」