●「続・知らざる日豪関係」(172)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「暴徒の群れは将校コンパウンドにもなだれ込んだものの、四方から向けられた機関銃の前に、即座に鎮圧されている。
 かれらは何のために将校コンパウンドに入ったのだろう。
 単に『同じ籠の中の鳥』を解放するためだったのか、それとも将校、下士官、兵卒と続く日本軍の指揮系統編成を求めてのことだったのだろうか。
 いずれにせよ不成功に終わっている。
 このあと暴動は完全に鎮圧され、朝八時三十分から負傷者、遺体の収容がはじまるのだが、遺体の様子は凄まじかったらしく、報告書には次のように書かれている。」