●「続・知らざる日豪関係」(193)

 〜中野不二男さんの「カウラの突撃ラッパ 零戦パイロットは なぜ死んだか」より〜


「及川少尉の陳述は、事実だけを粉飾もなく物語る。
 それだけにかえって、私には生々しく感ぜられたのを覚えている。(中略)
 私は、及川少尉から死者の名簿を受けとって、一連の書類とともに綴って保存してある。
 波多野政実,南忠夫(ママ)、板間常吉,勝倉鎌光、小島正雄(ママ)・・・・・時々、書類を出しては、一人一人、無残の死者の名を、読みあげる。
 だが、これを聞いてくれるのは何処の誰なのか?』」